にわかと映画好きの基準とかどうでもいい?~大学生vsゴッドファーザー~

こんにちは、kuwaaaです。

ちょっと挑発的なタイトルにしてみましたが、まじめに書きましたし本心なので後悔はしていません。昔から映画は好きでしたが、僕は大学生になって映画をよく観るようになりました。よく観る、といっても週に1本、研究室に入ってからは2週間に1本くらいの頻度です。世間一般の人からするとかなり多い方でしょうが、たまにYouTubeなどで1年間に100本以上観た、と言っている方を見かけるのでめちゃくちゃ映画を観る、というタイプではないですね。

大学生になったばかりの頃、他人の前(特にあまりまだ仲良くない人の前)で自分の趣味・映画について喋ることに少し抵抗感を感じていたことがあります。

僕は映画全ジャンルが好き、というわけではなく、ホラーやグロ、ロマンス、邦画実写ものは苦手で話題作でも自分からはほとんど観ません。アクション映画は好きですが、有名なアベンジャーズのシリーズはあまり興味がないので、話し相手に「あの映画観たことないの?」とか言われるんじゃないかと地味に恐怖を感じることがありました。それに加えて、相手が自分よりも映画に詳しかったりしてマウントをとられたりするんじゃないか、というのも怖かったですね。幸いなことに、実際にはそういう場面にはほぼ遭わなかったのですが、ネットでは映画を1年に何本も観ることを自慢げに、知識や考察を語る人が少なくありませんよね。他人より知識があると優越感を感じるのはよくわかりますが……。そういうのを目にしてはビミョーな劣等感のようなものを感じていました。

そんなわけで、趣味を聞かれるたびに「映画観るの好きなんだよね」と答えてはいたものの、何となく不安な気持ちで、どのくらい映画を観れば自信をもって「映画好き」と言えるんだろうか、自分は「にわか」なんだろうか、とぼんやりと考えるようになりました。

 

そのうち1つの答えとして、映画は「観るタイミング」(さらに言うと映画体験)を大事にすれば、それ以外気にする必要なんてないんじゃないか、と思うようになりました。この気持ちは後で紹介する「ゴッドファーザー」を観て確信に近くなりました。


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小学校で観た「ハリーポッターと賢者の石」や、金曜ロードショーでワクワクしながら(CMで途切れるのをじれったく思いながら)観た「スターウォーズ ファントムメナス」、家族で観た屋外上映での「スパイダーマン3」の映画体験は僕とって唯一無二だと(今になって)感じます。ポケモンクレヨンしんちゃんが好きだったので、こういった劇場版アニメも小さい頃はとても楽しみにしていた記憶があります。でも、もし大学生になって初めてこれらの映画を観たとしても、幼いころに感じたようなワクワク感は得られないんじゃないかな…とも思います。(と同時にベストタイミングの映画を見逃しているのかも、と思うと悲しいですが…)

                                      スパイダーマン (字幕版)

 

僕がどうして急にこんなことを思ったのかというと、最近「ゴッドファーザー」を観て、「ゴッドファーザー」のような作品は、もし中高生くらいの時に初めて観ていたら、テンポの遅さに途中で観るのをやめていただろうなと感じると同時に、映画は観るタイミングが重要だな、と思ったからです。

 

まだまだ観ていない作品がたくさんあったとしても、これから観ればいいし、その時々での映画との出会いを楽しみにすればいいのだと強く思うようになりました。

なので、もし僕と同じように少し不安な気持ちを持っている人がいたら、気にする必要はないです。初めて観ることになるまでは芸人の「かまいたち」のような態度で行こうと思います。笑)


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ということで、僕が大学生になってから観て本当によかったと思う傑作映画「ゴッドファーザー・PART1」について、見どころを紹介します。

 

特にネタバレはありませんのでご安心を。

  

ゴッドファーザー

名前は聞いたことある人も多いかもしれませんが大学生で観る人は少ないかもしれませんね。映画史に燦然と輝くフランシス・コッポラ監督の傑作マフィア映画。3部作ですがパート1だけでも見る価値があります。どれも3時間くらいあります……笑。個人的に好きなマンガ・ジョジョ5部はこの作品に強く影響を受けていますね。

                               ゴッド・ファーザー (字幕版)

実は僕は「古い」「グロそう」「なんか怖そう」という理由で何となく避けていたのですが、勇気を出して観てみて正解でした。僕と同じ理由で避けている方はぜひ一度鑑賞をお勧めします。この映画、マフィアの抗争・盛衰のストーリーとしても十分面白いですが、僕がこの映画を気に入った理由は、なんといってもこの映画の重厚で緊迫感のある世界観・雰囲気です。

1作目は1972年に公開されており、ワイヤーやCGを駆使した派手でかっこいいアクションも、現代風なテンポの良いストーリー展開もありません。超絶な美男美女が出ているわけでもありません。しかし、独特なテンポとライティング(照明)、ばっちり決まった俳優の渋い演技、家族愛を中心にした普遍的なテーマがこの映画を名作に押し上げたのだと思います。

全体的に暗い色味で、明暗を際立たせるライティング(上のジャケットでも顔の右半分が影になっていますね)は当時斬新だったようですが、本作の渋い世界観を形作る上で重要な要素になっています。

 

パート1の僕のお気に入りは、主人公・マイケル(アル・パチーノ)がパン屋の知り合いとともに病院の入り口に立って敵のマフィアをやり過ごすシーン。

 

病院へ、ドンである父の見舞いに行ったマイケル。奇妙なことに看護師以外人がいません。いつ狙われてもおかしくないマフィアのボスに付き人がいないのはとても危険な状況です。すぐに危険を察知するマイケル。父のベッドを移動させ、電話した仲間が来るまで、偶然見舞いに来たパン屋の知り合いとともに敵マフィアを待ちます。

しばらくするとそこへ1台の車が病院の前をゆっくりと通りかかります。車の中からマイケルたちを伺いますが、マイケルたち迫真の演技により、父の警備が解かれていないかと錯覚したのか、敵はそのまま通り過ぎてしまいます…。実際に身内で父を守っているのはなのはマイケルだけなのに。しかも二人とも銃すら持っていません(持っているかのようにふるまってますが)。

 

 

この場面で面白いのは、マフィアと無縁で生きてきたマイケルが殺し屋相手にひるむ様子を見せない点で、マイケルの天性のマフィア気質と骨太な精神が垣間見えます。一見なんてことはない短いシーンですが、手が震えてなかなかタバコに火がつけられないパン屋の知り合いと、落ち着いてタバコに火をつけるのを手伝うマイケルの冷静な姿が対比されて、何とも言えないぞくぞくするような緊張感があります。(0:00~1:30)


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このシーンはパート1の中盤に出てきますが、僕はここからグイっと引き込まれました。アメコミ映画などのアクションもかっこいいですが、「ゴッドファーザー」は「大人の男のカッコよさ」といったところでしょうか。何度も観る、というファンが多いのも納得ですが、小中学生のころに観ても、本作の気品のある重厚な世界観を面白いと感じる人は少ないのではないでしょうか…。

 

ここで紹介したのは3部作のほんの一部なので、少しでもゴッドファーザーに興味を持ったら、ぜひ見てみることをおススメします。

 

 

僕の中での「観てよかった」と思う映画は、観た後余韻に浸ってしばらく考えてしまったり、自分の人生(思考や言動)に影響を及ぼしたり、何度も観たくなるような作品です。そしてDVDや配信で観たときあるあるですが、「映画館で観ていたら最高だっただろうな」と感じるような作品。2時間という少なくはない時間を使って映画を観るのですから、できるだけいい映画に出会いたいものですよね。

 

ゴッドファーザー」は時間がたって見返すと、また違う見方ができそうです。大学生の時に出会えてよかったなと心から思います。

 

今回はこの辺で。

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TO BE CONTINUED